想像より費用のかかる手作りウエディングドレス

もう10年ほど前ですが、親友が結婚して披露宴によばれました。冬の季節の披露宴にふさわしく、デコルテはファーでトリミングされた真っ白なウェディングドレスでの披露宴です。ウエストのあたりのちょっとした生地の余裕が見て取れましたが、それは、このドレスは新婦が手作りしたものだと知っていたから気づいた程度、ふつうに見れば気にならない出来のよさでした。

披露宴の数ヶ月前から色々と準備があって、とくに引き出物や手作りカードなどにこだわりのある彼女は、ドレス作りも間に合わせないといけないこともあって披露宴の前に寝不足になるほどの忙しさだったそうです。披露宴もすすみ、新婦の幸せに輝くの顔の下、細いストラップの縫い目が少し曲がっているのが見えました。生地は光沢がありすぎ、シルクではなく化繊入りかな、という質感です。あ~、手作りだから、と親友の努力に微笑ましくも思いますが、ほかの人が見れば知らず「不良品」ということ。後日聞くと、手作りで安く済んだと思った費用は、私の想像の2倍以上でした。しかもやはり化繊の多い生地だったのにもかかわらずです。

業者ではなく個人が高級なシルクを買うとしたら高額になってしまうし、素人にしなやかなシルクを縫製する技術はないので仕方ないのですが、披露宴前のあれほどの努力を知っていたのでちょっとかわいそうでした。その値段で高級なドレスをあつらえられる、と今ならクロヤショップ等を教えるのですが。